山野ん楽とは

780年以上続く無形文化財 山野ん楽
動画提供:九州国立博物館
https://vimeo.com/159457814

山野ん楽は、毎年、秋分の日に開催。
氏子(家内)安全・五穀豊穣を祈願し、福岡県嘉麻市山野にある山野若八幡神社で行われる水神祭。
正式には「水神様への楽の奉納」である。

山野若八幡神社で行われる水神祭

始まりは780年以上前、宇佐八幡宮の分けていただいた神と共に伝来したといわれている。
筑前で唯一の楽打ちで県無形民俗文化財に指定されて60年以上。
登録表記は「山野の楽」だが、地元のなまりで昔より「やまのんがく」と呼ばれている。

山野ん楽は、毎年、秋分の日に開催。
氏子(家内)安全・五穀豊穣を祈願し、
福岡県嘉麻市山野にある山野若八幡神社
で行われる水神祭。
正式には「水神様への楽の奉納」
である。

山野若八幡神社で行われる水神祭

始まりは780年以上前、
宇佐八幡宮の分けていただいた神と共に
伝来したといわれている。
筑前で唯一の楽打ちで県無形民俗文化財に
指定されて60年以上。
登録表記は「山野の楽」だが、
地元のなまりで昔より「やまのんがく」と
呼ばれている。

そもそも楽とは

『楽』とは「太鼓」のことである。
また、『楽打ち』とは太鼓踊りの一種で、胸に付けた締め太鼓を打ち鳴らしながら踊る民俗芸能のことである。
楽打ちは旧豊前国に多く、旧筑前国で残っている楽はこの『山野ん楽(山野の楽)』のみである。
楽打ちの大半は「円になって舞う」ことが多いが、山野ん楽(山野の楽)は楽の中でも珍しく「2列に対列して舞う」。
『楽』とは「太鼓」のことである。
また、『楽打ち』とは太鼓踊りの一種で、
胸に付けた締め太鼓を打ち鳴らしながら
踊る民俗芸能のことである。
楽打ちは旧豊前国に多く、旧筑前国で
残っている楽はこの『山野ん楽
(山野の楽)』のみである。
楽打ちの大半は「円になって舞う」ことが
多いが、山野ん楽(山野の楽)は
楽の中でも珍しく「2列に対列して舞う」。

山野ん楽(山野の楽)は地元の男性しか参加ができない

楽の役柄は村役、楽方(がくかた)12人、囃子は鉦方(かねかた)2人、笛方(ふえかた)2~4人、
太鼓方(たいこかた)2人から構成されている。

この20人は”地元の男性しか参加できない”というしきたりがある。

楽の役柄は村役、
楽方(がくかた)12人、
囃子は鉦方(かねかた)2人、
笛方(ふえかた)2~4人、
太鼓方(たいこかた)2人
から構成されている。
この20人は地元の男性しか参加できない
というしきたりがある。

山野の楽(山野ん楽) 役柄の説明

▲中央後方が「楽方」。中央前方の水色の着物を着た二人が「鉦方」。中央前方の白の着物を着た二人が「太鼓方」。
後方両サイドに立つ大人三人が「笛方」。

▲中央後方が「楽方」。
中央前方の水色の着物を着た
二人が「鉦方」。
中央前方の白の着物を着た
二人が「太鼓方」。
後方両サイドに立つ大人
三人が「笛方」。

【村役】
村役は氏子会長、管理者(市長)、祭り座代表、世話役が担う。
村役は紋服に裃、帯刀という格好をする。

【楽方】
楽方は中高生がする。
白と藍のだんだら模様の服装・脚絆(脛あて)、腰にヘラ皮の蓑(みの)、白足袋、草履、草靴を履いている。
頭には赫熊(しゃぐま)をかぶり、約2mの御幣竿を背負い、胸には直径60㎝の締太鼓を打ち鳴らしながら舞う。

【鉦方】
鉦方は小学生がする。
顔に白粉、頬紅、口紅をつける。
赤鉢巻きに手甲・脚絆(脛あて)は黒地に金色の飾り模様のあるものをつけている。
腰蓑・白足袋・草履・草靴は楽方に同じ。
水色の着物、袴は赤で背の結び目は五色のきれをたらしている。
小鉦と撞木(しもく:鉦を叩くT字の棒)の柄頭に御幣(ごへい)を下げている。

【笛方】
笛方は大人がする。
笛方は紋服・裃・帯刀の格好をする。

【太鼓方】
太鼓方は子どもがする。
白衣を付けた世話役が引く台車の太鼓を道囃子の時だけ打つ。
(以前まで、世話役は太鼓を肩に背負っていた。)
赤襷・白鉢巻・白衣・袴を股高に履き、帯刀・紫の手拭きを下げている。

【村役】
村役は氏子会長、管理者(市長)、
祭り座代表、世話役が担う。
村役は紋服に裃、帯刀という格好をする。

【楽方】
楽方は中高生がする。
白と藍のだんだら模様の服装、
脚絆(脛あて)、腰にヘラ皮の蓑(みの)、
白足袋、草履、草靴を履いている。
頭には赫熊(しゃぐま)をかぶり、約2m
の御幣竿を背負い、胸には直径60㎝の
締太鼓を打ち鳴らしながら舞う。

【鉦方】
鉦方は小学生がする。
顔に白粉、頬紅、口紅をつける。
赤鉢巻きに手甲・脚絆(脛あて)は黒地に
金色の飾り模様のあるものをつけている。
腰蓑・白足袋・草履・草靴は楽方に同じ。
水色の着物、袴は赤で背の結び目は五色の
きれをたらしている。
小鉦と撞木(しもく:鉦を叩くT字の棒)
の柄頭に御幣(ごへい)を下げている。

【笛方】
笛方は大人がする。
笛方は紋服・裃・帯刀の格好をする。

【太鼓方】
太鼓方は子どもがする。
白衣を付けた世話役が引く台車の太鼓を
道囃子の時だけ打つ。
(以前まで、世話役は太鼓を肩に背負っていた。)
赤襷・白鉢巻・白衣・袴を股高に履き、
帯刀・紫の手拭きを下げている。

「笛楽」と「歌楽」

楽には「笛楽」<鎮魂行事>と「歌楽」<祈願行事>がある。
「笛楽」から始まる。楽方12人が笛と鉦に合わせて太鼓を打ちながらゆったりと舞う。
「歌楽」は鉦にあわせ、楽方が歌いながら太鼓を打って舞い、笛楽より急なそぶりがあり、列が入れ替わる。
楽には「笛楽」<鎮魂行事>と
「歌楽」<祈願行事>がある。
「笛楽」から始まる。
楽方12人が笛と鉦に合わせて太鼓を打ちながらゆったりと舞う。
「歌楽」は鉦にあわせ、楽方が歌いながら太鼓を打って舞い、笛楽より急なそぶりがあり、列が入れ替わる。

山野の楽(山野ん楽) 楽の様子

歌楽の歌詞

1.イヨ、古(いにしえ)の天の岩戸に 神遊び 神遊び ウンサトリエノエントカヤ

2.イヨ、古の神の子どもに 楽をせよ 楽をせよ ウンサトリエノエントカヤ

3.イヨ、神々の楽を揃えて 面白や 面白や ウンサトリエノエントカヤ

4.イヨ、この楽を聞けば則ち(すなわち) 法(のり)の声 法の声 ウンサトリエノエントカヤ

5.イヨ、世の中は楽で治まる 世の中は 世の中は ウンサトリエノエントカヤ

※ ウンサトリエノエントカヤ=「宇佐の通りの宴」ではないかと言われている。

1.イヨ、古(いにしえ)の天の岩戸に
  神遊び 神遊び
  ウンサトリエノエントカヤ

2.イヨ、古の神の子どもに
  楽をせよ 楽をせよ
  ウンサトリエノエントカヤ

3.イヨ、神々の楽を揃えて
  面白や 面白や
  ウンサトリエノエントカヤ

4.イヨ、この楽を聞けば則ち(すなわち)
  法(のり)の声 法の声 
  ウンサトリエノエントカヤ

5.イヨ、世の中は楽で治まる
  世の中は 世の中は
  ウンサトリエノエントカヤ

※ ウンサトリエノエントカヤ=
「宇佐の通りの宴」ではないかと
言われている。

山野ん楽(山野の楽)の始まり

  • 大分県の宇佐神宮から山野若八幡神社に神様を分けていただいた際、神様へのおもてなしとして山野ん楽(山野の楽)が始まった。
  • 山野村で農業を営む大切な牛が多く死んだので、占い師に聞くと「水神様のたたりである。それで、宇佐の楽打ちに習ってしたらよかろう」ということで始まった。

など諸説いわれている。

厳しい”しきたり”

歴史のある「山野ん楽(山野の楽)」には厳しい”しきたり”がある。

  • 昔、楽方は未婚の青年しかできなかった。今は山野地区の少年たちから選ばれる。
  • 40年ほど前までは山野に3代暮らす人しか祭りに参加できなかった。
  • 昔は山野ん楽(山野の楽)の日のみ宮司は従三位(階位)、楽方は従五位(階位)の権限が与えられ、他の公役(兵役など)も免ぜられていた。
    なので、祭り当日は違法通用で通っていた。
  • 山野ん楽(山野の楽)の昼食は鯛、吸い物、ご飯、漬物、なます、御神酒
  • お供え物の柿の葉寿司は女性だけが作る
  • 山野ん楽(山野の楽)で使われる楽器に女性は触れてはいけない。今でも。

前日までの準備

小屋入り

稽古始めのお祈り。8月下旬に行われる。

  • 祭りにかかわる人が、祭りが無事に行えるように祈願を受ける。
  • 伝承館に行って直会(なおらい)をする。
    ※ここでの直会とは氏子会と保存会と祭座が中心となって取り仕切る人が集まり、食事をしながら話し合いをすること。

楽打ち練習

8月20日から10日間、9月18日から3日間の夜に伝承館で楽打ちの練習が行われる。

山野ん楽 練習風景山野ん楽 練習風景山野ん楽 練習風景

小屋入り 練習 楽打ち

楽打ち 体勢

楽打ち 流れ練習

御幣切り

御幣とは神が宿るお守りである。
御幣は、しめ縄や楽方が背負う御幣竿、各家庭の玄関に付ける。
御幣竿には90枚の御幣がついている。
山野ん楽の準備 御幣切り

御幣切り

水神棚作り

お供えをする棚を作る。

供物の料理

御供の料理の柿の葉寿司を渋柿の葉で作る。女性が作るという、しきたりがある。

太鼓締め

去年緩めていた楽方太鼓12個を、毎年締め直しします。白いタスキは太鼓を首にかける神聖な白タスキです。

山野ん楽の準備 太鼓締め山野ん楽の準備 太鼓締め山野ん楽の準備 太鼓締め

太鼓締め 結ぶ

太鼓締め 重要

太鼓締め 白たすき

山野若八幡神社 のぼり

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